トラブルシューター養成セミナー 石狩市での開催実現!!

 去る3月12日・13日に、トラブルシューター養成セミナーを石狩市で開催することが出来ました。平成13年に小樽で開催されて、是非、石狩市でも開催をと3年越しの願いでした。昨年の春に堀江まゆみ氏(白梅学園大学教授・NPO法人PandAJ代表)に是非石狩市でトラブルシューター養成セミナーを開催したい旨を伝え、野沢和弘氏(毎日新聞社論説委員・NPO法人PandAJ副代表)が昨年6月に石狩市に法人見学で来られた際にもお伝えしました。ついにその願いが実現しました。

 石狩市での開催あたっては、2015年度福祉医療機構の助成事業により、主催はNPO法人Panda-J。共催は石狩市、石狩市自立支援協議会、NPO法人石狩市手をつなぐ育成会、P&Aいしかり(NPO法人石狩市手をつなぐ育成会、石狩市障がい者支援センター保護者会、社会福祉法人はるにれの里による構成)。後援は石狩市社会福祉協議会というかたちでおこなわれました。

 初日の3月12日(土)に開催された「性犯罪再犯防止支援者研修SOTSEC-ID」には当事者の家族会、民生委員、福祉サービス事業所職員、養護教員、相談機関、弁護士など41名の参加がありました。参加者は石狩市内だけではなく札幌、旭川、後志からも参加がありました。SOTSEC-IDは性的なトラブルなどの困ったことを乗り越え、いきいきと暮らせるようになるために、本人と地域支援者たちが協働し包括的に支援する英国発祥のプログラムで、堀江まゆみ氏(白梅学園大学教授・NPO法人PandA-J代表)より概論の説明が、平井威氏(明星大学・SOTSEC-IDJapan多摩)より東京の多摩地域での取り組みについて紹介をいただきました。参加者はSOTSEC-IDについて初めて学ぶ機会となり、アセスメントや認知行動療法によるアプローチ等の重要さといかに支援の中にプログラム化して取り入れていくかといったことへの関心の高さがうかがわれました。

 2日目の「トラブルシューター支援者養成セミナー(基礎コース)」には当事者の家族会、民生委員、福祉サービス事業所職員、養護教員、相談機関、弁護士65名の参加がありました。この日も参加者は石狩市内だけではなく札幌、北広島、室蘭、釧路からも参加がありました。   

 トラブルシューター養成講座では堀江まゆみ氏よりトラブルシューターとは何かについての説明を、中田雅久氏(弁護士・多摩TSネット)より司法の立場よりトラブルになったときどうすればいいのかということを刑事手続きや東京TSの活動の紹介を交えながら説明をいただきました。また石狩市の地域ではどのような現状があるかを市内の委託相談支援事業所の「ぷろっぷ」の平松氏、「ヨルド」の宮串氏から報告がされました。午後からは野沢和弘氏(毎日新聞論説委員・NPO法人PandA-J副代表)より過去に障がいのある方(特に発達障がい者)が絡んだ事件報道と背景の紹介や英国視察についてお話をいただきました。

 両日ともに講義後には平井威氏の進行でグループディスカッションが行われ、具体的な事例をもとにして私たちがどのようなことをやっていけるのか、だれが何をしたらよいか、石狩市ではどのような体制が必要とされるかということをディスカッションし、関係機関全体のコーディネーターの必要性や福祉現場ではあらためてトラブル等にしっかり目を向けていくことの重要性や当事者の一層の自立や地域・関係機関への理解の促進等についても意見が出されていました。研修を通じて、これから石狩市ではどのような取り組みを行っていくべきか、問題解決だけではなくていかに有機的な連携を図っていくべきか、全体のコーディネーター機能はどこがどう担っていくのか等々のたくさんの宿題をいただきました。

 また、この日は受講修了者に修了証を発行し、グループワークの参加者毎に各講師の方々と一緒に記念撮影をしました。

 トラブルシューター養成セミナー参加者からは65名中59名の方からアンケートに協力いただき、多くの貴重なご感想・ご意見をいただきました。